column

コラム

  1. TOP
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. カワノ(Kawano)インタビュー/【ストリートファイター6】プロゲーマー

2024.02.15

カワノ(Kawano)インタビュー/【ストリートファイター6】プロゲーマー

若手プロゲーマーの中でも、屈指の実力者として高く評価されているカワノさん。ゲームを本格的にやるようになったのは、大学に入ってからとのことです。短期間でその才能を開花させ、プロになってからも、さまざまな大会で素晴らしい成績を収めています。現在はGood 8 Squadに所属して活躍中です。プロゲーマーになったきっかけ、ゲーム上達方法、プロとして大切にしていること、「hi-hoひかり with games」を使ってみての感想など、お話を伺いました。

ゲームに強くなる方法は、常に考え続けること。自分を負かす相手の存在こそが自分の成長につながる。

勝ち負けの結果が明確に出るところがゲームのおもしろさ

――ゲームを始めたきっかけはどのようなことでしょうか?

人並みのゲーム人生で、みんながポケモンをやっている時に、僕もポケモンをやっていました。 「ストリートファイターV」は、高校3年の時に一瞬触ったのですが、受験期だったこともあり2~3日でやめ、大学に入って落ち着いてから再びやり始めました。強い方々と対戦してワクワクしたことが大きかったと思います。ゲームセンターでゲームをやると、お金がかかりますが、この頃には、「ストリートファイターV」は家庭用プレイステーションでもできる仕様になっていたため、一度買ってしまえば、ほぼお金がかかりません。コスパのいい趣味だったことも大きかったですね。

――「ストリートファイターV」のどのようなところに魅力を感じたのですか?

「ストリートファイター」に限ったことではありませんが、スポーツでもやっていなければ大人になるにつれて、競う場面が少なくなるじゃないですか。しかし、ゲームは1対1で対戦してどちらが強いかを競いあうものです。明確に結果も出て、刺激を受けるところが大きな魅力だと考えています。

――大学に入ってからゲームを再開して、すぐに上達したのですか?

いえ、すぐに上達したわけではなく、それなりに段階を踏んでいます。ランク分けされているのですが、一番上のランクに上がった時に、ぼちぼち強くなったのかなと思いました。

――プロゲーマーになったきっかけを教えてください。

「ストリートファイターリーグ: Tryout / ドラフト会議」という「ストリートファイターリーグ」の選考会に、若手枠として選ばれたことが、直接的なきっかけです。プロの方たちと練習する機会も増えましたし、プロの方との対戦がとても楽しくて刺激的だったため、プロを意識するようになりました。根拠はありませんでしたが、続けていけばいつかはプロになれるだろうという自信はありました。

――カワノさんは若手ですが、先輩のプロゲーマーの方々に追いつくのは大変でしたか?

ストリートファイターリーグに参加した時は、以前からいる方々にまったく歯の立たないレベルでした。しかし「若手枠」だったこともあり、対戦相手も若手であることが多かったので、ある程度、勝てたのかなと思っています。

――その後、さまざまな大会でも優勝するなど、実力を発揮されています。どのようなところが、自分の強み・特色であると考えていますか?

僕はノリでやっている部分が多いんですよ。もちろん基本的には理論的な行動を取っていますが、そこにある程度の感覚的なノリを混ぜられることが、自分の強みなんじゃないかと考えています。たとえば、理論的な行動を取っている相手に対して、誘いをかけるなど、瞬間的に浮かんだ要素を戦術に織り交ぜています。

勝った1時間後には次のゲームのことを考えている

――プロゲーマーの醍醐味と大変なところを教えてください。

醍醐味を感じるのは、練習を重ねた結果、勝った時ですね。大変なところは、やはり勝った時です。早ければ勝った1時間後くらいには、次の対戦のことを考えなければいけない場合があります。タイトルを取った直後でも、次の試合のことを考えて練習しなければいけないですし、常に気を抜けないのが大変なところではありますね。

――一日の中でのゲーム時間や時間帯について教えてください。

ゲーム時間は最近はあまり多くなくて、5時間くらいですね。ただし、ゲーム以外のことをやっている時、たとえば、散歩中でも食事中でもカフェにいる時でも、ずっとゲームのことを考えているので、広義の意味で捉えると、一日中ゲームと関わりを持っている気がします。時間帯は昼が多いです。夜にゲームをやるのはあまり好きではありません。しっかり日光を浴びたい派です(笑)。

ゲームをやる上で大切にしているのは考えること

――ゲームをする上で大切にしていること、こだわっていることを教えていただけますか?

基本的にずっと考えながらやるということですね。当たり前のことのようではあるのですが、なかなか実行しづらいことでもあると思っています。理由は、考えながらやることによって、次につながるからですね。その場のことだけではなくて、後々のことを見据えて、考えることは意識しています。

――部屋の大きさ、明るさなど、ゲームをやる環境へのこだわりはありますか? 

いえ、わりと雑にやっています。いい環境を作ることも大事だとは思いますが、いつもいい環境で大会に出られるわけではないからです。どこかの場所に出向いて、大会に参加することも多いので、どんな環境であっても、それなりのパフォーマンスができるように慣れておきたいんです。ですから普段からあまりこだわらずに、わざとアバウトにやるようにしています。普段からアバウトな環境に慣れておいたほうがいいと思っているんですよ。シンプルに、環境を整えるのが面倒くさいという理由もあります(笑)。

――仲間であるとか、ライバルであるとか、他のプロゲーマーの存在が刺激になっているところはありますか?

仲間やライバルよりも、自分と練習で対戦して勝ってくれる相手がいると、わかりやすく自分の改善点・反省点が見つかるので、そういう相手はとても貴重だなと考えています。ゲームをやっていると、勝つことも負けることもありますし、自分を負かしてくれる相手の存在が、自分を強くしてくれると考えています。

――ゲームで強くなる方法、上達する方法について教えてください。ご自身では「考えながらゲームをする」とのことでしたが、一般の人がゲームを強くなるために、アドバイスしていただくとしたら、どのようなことでしょうか?

自分の場合と一緒で、「ずっと考え続けてください」としか言えないですね。「考える」といっても、イメージしにくいかもしれませんが、「楽をしよう」と思うといいかもしれません。たとえば、相手のこの技がきついという時に、その技に対してどうしようというよりも、もっと自分が楽に立ち回れるようにするためには、どうしたらいいのかという視点を持つと、考えやすいのかなと思います。

――大会に出場する前には、どのような準備をするのですか?

試合で対戦するであろう相手の試合を片っ端から見ますね。ここではこういう癖があるから、そこを突くとか、分析してメモします。プロゲーマーならば、誰でもそういう準備はすると思うのですが、自分の場合は極端なくらいのレベルで相手のことを調べますね。

――コンディション面では、どのような準備をしていますか?

大会に向けて特にしていることはありませんが、日光を浴びること、散歩をして体を動かすことは、日常的に心がけています。

――試合にのぞむ時には、メンタル面ではどのようなことを心がけていますか?

試合になると、当然緊張はしますが、その状況も含めて、楽しもうとしています。試合前に自分に言い聞かせるのは、「おもしろい人生だな」といったことですね。

回線選びのポイントは気持ち良さ

――普段、ゲームをやる時の使用デバイス、PCなどについて、教えてください。

PCはGALLERIAの「ストリートファイター6」推奨のものを使っています。PCに求めているのは、ともかくスムーズに動くことですね。なので、ハイスペックなものを使用しています。モニターはZowie-BenQのものです。コントローラーは、Hitboxを使用しています。プロになる以前は、アーケードコントローラーを使っていたこともあるのですが、レバー操作が上達せず、 Hitboxに変えました。レバー操作と違って、コマンド入力などを正確にできるところが大きなメリットだと感じています。キーボードはLogicool製品です。マウスは、基本的にゲームでは使わないので、あまりこだわりはありませんが、配信をするので、高いものを買った記憶があります。

――「hi-hoひかり with games」の使い心地はいかがですか?

ともかく速いと感じました。「ストリートファイター6」をやっていても、ストレスがなくて、快適です。格闘ゲームは対戦相手がいるので、回線が速くないとラグが生じてしまって、普段できるプレーができなくなることがあるんですよ。場合によっては、試合ができないというレベルのこともありますが、「hi-hoひかり with games」は速いので、ゲームをやっていて、気持ちがいいですね。

hi-hoひかり with gamesのお申し込みはこちらから

負けた時に「ありがたがれる精神」を持ち続けたい

――プロゲーマーとしての今後の目標を教えてください。

「この大会に優勝したい」といった具体的な目標はありません。それよりも、自分が負けた時に「ありがたがれる精神」を持ち続けていくことが目標ですね。負けて悔しい思いをすると、さらに練習しようと思えるじゃないですか。そういうモチベーションを与えてもらえるのは、自分にとってありがたいことなんですよ。負けた時に悔しがらなくなったら、プロゲーマーとして終わりだとは思っていますし、ハングリー精神を持ち続けて、実力を磨いていきたいです。

――ゲームを普及させるなど、貢献したいという意識はありますか?

ゆくゆくはなんらかの形でゲーム文化に貢献できたらと思っていますが、そのことについて具体的に考えるのは、もう少し歳を重ねてからでいいのかなと思っています。今は時間的にも精神的にもまだ、その余裕がありません。いかにプロゲーマーとしての自分を向上させるかに集中しています。

カワノ・プロフィール

1998年生まれ。熊本県出身。Good 8 Squadに所属。立命館大学法学部在学中に、「ストリートファイターV」でゲームの楽しさを再確認。実力を磨くために休学し、本格的にプロを目指す。2018年にゲーミングプロ選抜トーナメントで優勝。その後も実力を伸ばし、さまざまな大会で活躍。2019年にカプコンの推薦により、JeSU認定スト5部門プロライセンスを取得。「ストリートファイターV チャンピオンエディション ジャパンオープン2022」優勝、「EVO 2022」優勝など、国内外の多くの大会で見事な成績を収めている。

回線速度