Wi-Fiの速度が遅い場合、さまざまな原因が考えられます。たとえば、Wi-Fiの電波が障害物によって遮断されている、電波干渉を受けているなどです。Wi-Fiルーターや端末に不具合があるケースも想定されます。本記事ではWi-Fiが遅い原因と対処法を解説します。
目次
Wi-Fiが遅いときに考えられる7つの原因

Wi-Fiが遅いときに考えられる主な要因は、次の7つです。
- Wi-Fiの電波が遮断される
- Wi-Fiの電波が届かない
- 電波の干渉を受けている
- Wi-Fiルーターに接続する端末数が多い
- Wi-Fiルーターや端末に不具合がある
- LANケーブルの規格が古い
- Wi-Fiルーターの接続方式がIPv6ではない
順番に解説していきます。
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1.Wi-Fiの電波が遮断される
Wi-Fiの通信速度が遅いときは、Wi-Fiの電波が障害物によって遮断されている可能性があります。障害物を通過できなかったWi-Fiの電波は反射し、徐々に弱くなっていきます。
Wi-Fiルーターから端末までの距離が短くても、間に家具や壁、ドアなどがあると、Wi-Fiが弱くなり接続が不安定になるため注意しましょう。とくに鉄やコンクリートはWi-Fiの電波を遮りやすいといえます。
関連記事:Wi-Fiがよく途切れるときの対処法を解説|不安定になる原因やその対策
2.Wi-Fiの電波が届かない
Wi-Fiルーターと端末の間にこれといった障害物が無くても、物理的な距離が遠いと、Wi-Fiの通信速度に影響を及ぼします。Wi-Fiルーターから発信される電波は、距離が遠くなるほど弱くなるといわれています。
3.電波の干渉を受けている
Wi-Fiの電波が電子レンジやテレビなど、ほかの家電製品によって電波干渉を受け、 通信速度が低下することもあります。家電製品などから発せられるほかの電波にWi-Fiの電波が干渉されると、インターネットを正常に通信できなくなるためです。
Wi-Fiは「2.4GHz」と「5GHz」という2つの周波数帯の電波を、また、多くの家電製品は「2.4GHz」の周波数帯の電波を使っています。電波干渉は、同じ周波数帯の電波が、同一の場所で飛び交うことで生じる現象です。
家電製品に限らず、近隣の家が「2.4GHz」の周波数帯の電波を使用していると、電波干渉が発生し、インターネットの接続が途切れがちになったり、通信速度が遅くなったりします。
4.Wi-Fiルーターに接続する端末数が多い
Wi-Fiルーターに接続している端末の台数が多いと、インターネット接続が不安定になり、通信速度に影響を及ぼす可能性があります。Wi-Fiルーターには、同時接続できる端末の台数が明記されているため、上限を超えた端末数の使用は避けましょう。
通信速度が遅くなるといっても、インターネット検索やメールの送受信などで使う分には、そこまで大きな影響はないでしょう。ただし、オンラインゲームやインターネット配信など、高速通信が求められるケースでは、注意が必要です。
5.Wi-Fiルーターや端末に不具合がある
Wi-Fiルーターや端末が古かったり熱暴走を起こしていたりするなど、なんらかの不具合が生じている場合も、Wi-Fiの通信速度の低下を引き起こします。たとえば、Wi-Fiルーターの規格が古いと、対応している通信規格も古いことがほとんどです。また、パソコンやスマホなどの端末のOSが更新されていない場合もデータ処理の手順が古く、それによってインターネットの通信速度が遅くなることが少なくありません。
さらに、Wi-Fiルーターや端末を長時間使い続けていると、内部に熱がこもり、熱暴走が起きる場合があります。基本的に、Wi-Fiルーターは1日中電源が入ったままの状態が続き常に熱を発している状態であるため、暑い季節はとくに注意が必要です。Wi-Fiルーターが熱暴走すると、インターネットの通信速度が遅くなるなど、トラブルにつながりかねません。
6.LANケーブルの規格が古い
光回線終端装置(ONU)とWi-Fiルーター、Wi-FiルーターとパソコンなどをつなぐLANケーブルの規格が古いことも、インターネットが遅い原因の1つです。LANケーブルには、電気特性のグレードをあらわすカテゴリ「CAT」があり、「CAT」の後に続く数字が大きいほど最大通信速度が速くなります。LANケーブルのグレード別の最大通信速度は、以下のとおりです。
カテゴリ | 最大通信速度 |
CAT5 | 100Mbps |
CAT5e | 1Gbps |
CAT6 | 1Gbps |
CAT6A | 10Gbps |
CAT7 | 10Gbps |
Cat5は最大通信速度が155Mbpsと非常に遅いため、ウェブサイトの閲覧や動画の視聴にも支障が出るでしょう。基本的には、最大通信速度が1Gbps以上のLANケーブルがおすすめです。
7.Wi-Fiルーターの接続方式がIPv6ではない
Wi-Fiルーターの接続方式がIPv6ではなくIPv4の場合、Wi-Fiの通信速度が遅くなる可能性があります。IPv6はIPoE方式であり、直接インターネットに接続することが特徴です。一方、 PPPoE方式のIPv4は、途中で必ずネットワーク終端装置を経由します。
そのため、接続方式が従来のIPv4の場合、ユーザー数が増える夕方から夜間にかけての時間帯などはネットワーク終端装置が混み合い、通信速度が低下する傾向にあります。
関連記事:マンションのWi-Fiが遅い原因は?快適にネット回線を利用する方法を解説
Wi-Fiが遅いときの対処法

Wi-Fiが遅いときの対処法として挙げられるのは、次の8点です。
- Wi-Fiルーターの設置場所を変える
- Wi-Fi中継器を設置する
- 電波を発する家電から離す
- 接続する端末の数を減らす
- Wi-Fiルーターを交換する
- 不要なアプリの終了や再起動を試す
- LANケーブルを買い換える
- Wi-Fiルーターの接続方式をIPv6に変える
1つずつ確認していきましょう。
関連記事:回線を早くする方法!インターネット通信速度のよくある5つの低下原因
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Wi-Fiルーターの設置場所を変える
Wi-Fiが遅いと感じたときは、Wi-Fiルーターの設置場所を変えてみましょう。Wi-Fiの電波が球体状に飛ぶことを考慮し、周囲に壁やドアや家具が無い場所に動かすのがおすすめです。端末の利用場所を、Wi-Fiルーターの近くに変えるのもよいでしょう。さらに、可能であれば室内のドアは開けっぱなしにしておくと、Wi-Fiの電波が遮られずに遠くに届きます。
Wi-Fi中継器を設置する
Wi-Fiの通信速度を改善するために、Wi-Fi中継器の設置も視野に入れるとよいでしょう。Wi-Fiの電波は、屋内では100メートル程度飛ぶといわれています。そのため、一般的な住居ではWi-Fiルーターと端末の距離が遠すぎるケースは少ないと考えられるものの、距離が通信速度に影響している場合は、Wi-Fi中継器が役立ちます。
そのほか、1階にWi-Fiルーターを設置していて2階の部屋にWi-Fiが届かないような場合は、階段に中継器を置くと状況が改善する可能性があるでしょう。
また、Wi-Fi中継器のほか、メッシュ機能を搭載したWi-Fiルーターの活用も効果的といえます。メッシュWi-Fiとは、相互で網目のようにネットワーク機器がつながり合う通信形態のことで、広範囲で接続できる点や複数端末の同時接続に強い点などが特徴です。
電波を発する家電から離す
電波干渉の原因となっている家電製品などから、Wi-Fiルーターを離すことも効果的です。電波を発する家電製品としては、電子レンジやBluetoothスピーカー、コードレス電話機などが挙げられます。とくに電子レンジは調理中限定ですが、強い電波を発します。
Wi-Fiルーターがこれらの家電製品の近くに設置されている場合は、設置場所を見直すことで、電波干渉が抑制され、Wi-Fiの通信速度が改善するはずです。
接続する端末の数を減らす
Wi-Fiルーターの接続する端末の数を減らしてみるのも、Wi-Fiの安定性を高める方法としておすすめです。使っていない端末のWi-Fi接続をオフにしましょう。どうしても、端末の台数を減らせない場合は、同時接続台数の設定が多いWi-Fiルーターへの買い換えを検討するのも手です。
Wi-Fiルーターを交換する
Wi-Fiルーターが古いことが原因でWi-Fiの通信速度が低下している場合は、新しいWi-Fiルーターに交換しましょう。古いWi-Fiルーターは搭載している通信規格も古く、通信速度に影響します。5Ghzに対応している、新しい規格のWi-Fiルーターに交換することで、インターネット通信の安定性の向上が見込めます。
関連記事:Wi-fiルーターの寿命とは?寿命等の症状や買い替え時期などを解説!
不要なアプリの終了や再起動を試す
スマホやパソコンで起動している、不要なアプリやソフトを終了させましょう。Wi-Fiの通信速度に問題がなくても、スマホやパソコンなどの端末で不要なアプリやソフトを起動させていて負荷がかかり、動作が遅くなっている場合もあります。処理速度を改善させるために、1度端末側の機器を再起動させるのも有効です。
LANケーブルを買い換える
数年前に購入したLANケーブルを使い続けているような場合は、CAT5e以上の規格のLANケーブルに買い換えることをおすすめします。
なお、現在使用しているLANケーブルのカテゴリを確認する際は、ケーブルに印字されている表示を確認しましょう。比較的わかりやすく表示されているものが多いですが、古いケーブルや一部のケーブルには印字されていない場合があります。
Wi-Fiルーターの接続方式をIPv6に変える
Wi-Fiルーターの接続方式をIPv6に変えれば、Wi-Fiの通信速度が速くなる可能性が高いです。IPv4は必ずネットワーク終端装置を経由しなければならないため、インターネット回線が混み合うと速度が低下してしまいますが、IPv6は直接インターネットに接続します。光回線が本来持つ速度を引き出しやすいのはIPv6の接続方式であるため、通信速度の改善効果が期待できます。
IPv6でインターネット接続するには、Wi-Fiルーターのほか、光回線や使用しているパソコンもIPv6に対応していなければなりません。高速光回線のhi-ho with gamesは、接続方法がMAP-E(V6 プラス)であるため、接続先がIPv6対応とIPv4対応のどちらでも、高速で安定した通信接続が可能です。ネットワークに接続する端末1台につき、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が割り当てられ、どちらのアドレスでも利用できます。
Wi-Fiの通信速度が遅いかどうか調べる方法

Wi-Fiが遅いと感じていても、実際にどの程度の通信速度が出ているのかわからない方もいるでしょう。Wi-Fiの実測値は、速度テストを行うことで計測できます。Wi-Fiの通信速度を計測するのにおすすめなのは、以下のサイトです。
- Googleスピードテスト
- Fast.com
- みんなのネット回線速度
- Speedtest by Ookla
たとえば、Googleスピードテストは、Googleの検索窓に「スピードテスト」と入力し「速度テストを実行」をクリックすると、すぐに測定できます。
Wi-Fiの通信速度の目安

用途別に必要なWi-Fiの通信速度の目安は、以下のとおりです。
用途 | 通信速度 | |
アップロード | メッセージ送信(メール・SNS) | 1Mbps |
アップロード | 画像投稿 | 3Mbps |
アップロード | 動画投稿 | 10Mbps |
ダウンロード | メッセージ受信(メール・SNS) | 1Mbps |
ダウンロード | Webサイト・SNSの閲覧 | 1Mbps〜10Mbps |
ダウンロード | 動画視聴 | 3Mbps〜25Mbps |
ダウンロード | オンラインゲーム | 30Mbps〜100Mbps |
Wi-Fiの通信速度の単位には主に「Mbps」や「Gbps」が用いられ、数字が大きいほど送受信できるデータ量が多くなります。メッセージの送信や動画視聴など、日常的に使用する際は30Mbps程度以上の通信速度であれば問題なく使えるでしょう。
オンラインゲームについては受信するデータが大きいため、最低でも30Mbps、動きの激しいゲームでは100Mbps程度あるのが理想的です。
関連記事:Mbps・Gbpsとは?通信速度の目安や改善方法などをわかりやすく解説
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Wi-Fiの通信速度を測り原因を探る方法

自宅のWi-Fiが遅い原因を探るには、計測サイトを使ってさまざまな場所のWi-Fiの速度を計測し、ボトルネックがどこにあるのかを考察することをおすすめします。その際、計測条件を統一することがポイントです。
通信速度が遅いのは、どの場所で使用したときに、またどの接続方法を選択したときなのかがわかれば、適切な対応を取れるはずです。ケース別に確認していきましょう。
Wi-Fiルーターに近い端末の通信速度が遅い場合
Wi-Fiルーターに近い場所で使用している端末の通信速度が遅い場合は、プロバイダで契約しているのが遅いプランである可能性があります。契約したのが数年前であるような場合は、1度契約書を確認してみるとよいでしょう。または、Wi-Fiルーターが古かったり、不具合が生じていたりすることも考えられます。
関連記事:プロバイダとはなに?その意味や役割・選び方のポイントなどを解説
有線接続する端末のみの通信速度が遅い場合
有線接続をしている場合は、同じ端末を無線接続に変えて、通信速度を計測します。その結果、無線接続のほうが速ければ、Wi-Fiルーターに問題がある可能性は低く、LANケーブルの挿し直しや買い換えで対処できるでしょう。
LANケーブルの接触不良が原因の場合は、1度ケーブルを抜き、カチッと音がするまで挿し直すだけで通信速度が改善するはずです。ケーブルを挿し直しても通信速度に変化がみられないときは、ケーブルが損傷していたり、断線しかけていたりすることがあります。そもそも、規格が古いことが原因の場合もあります。
ケーブルを挿し直しても通信速度に改善がみられない場合は、LANケーブルを買い換えるのが、手っ取り早い対処法といえるでしょう。
無線・有線接続にかかわらず特定の端末のみが遅い場合
Wi-Fiルーターからの距離が同じで、接続方法に関係なく特定の端末の通信速度のみが遅いバイアは、端末側の不具合が原因である可能性が高いです。使用していないアプリを終了したり、再起動を試みたりしてみましょう。OSのアップデートを、こまめに行うことも大切です。
また、そもそも端末の機種が古い場合、新しいWi-Fiの通信規格に対応できず高速通信を引き出せていないこともあります。
Wi-Fiルーターから離れた場所や特定の部屋のみ遅い場合
Wi-Fiルーターから離れた場所や特定の部屋のみの通信速度が遅い場合は、Wi-Fiルーターからの距離や、家具や壁などの障害物、電波干渉などが起因していることが考えられます。
Wi-Fiルーターと物理的な距離が遠い場合や壁や家具などの障害物が原因である場合は、Wi-Fiルーターの設置場所を見直すことが基本です。Wi-Fiルーターと端末の距離が問題で、Wi-Fiルーターを置く場所を変えられないときは、端末の使用場所を見直すのも手です。
しかし、部屋の間取りなどによってそれらが難しい場合は、Wi-Fi中継器を設置することも検討しましょう。電波干渉が原因で、インターネット通信が不安定になっていると思われるときは、家電製品から離れた場所で使用したり、Wi-Fiの周波数帯を5GHz帯に変更したりする方法が有効です。
場所や接続方法にかかわらずすべての端末が遅い場合
家のなかのさまざまな場所で通信速度を計測した結果、どの場所でも、そしてどの接続方法でも全体的に通信速度が遅かったというケースもあるでしょう。その場合は、Wi-Fiルーターに原因がある可能性が高いです。まず、周波数帯を5GHzに変更してみましょう。
5GHzの周波数帯は、2.4GHzに比べて障害物に遮断されやすく遠くまで届きにくいというデメリットがあるものの、最大速度が速く電波干渉を受けにくい点が特徴です。Wi-Fiルーターの近くで端末を使用していても通信速度が遅いときは、5GHzの周波数帯に変えることで、通信速度が速くなる可能性が高いです。
周波数帯を変更しても思うような効果が得られない、またはWi-Fiルーターが古いことが原因であることが明らかな場合は、新しいWi-Fiルーターへの買い換えを検討しましょう。
Wi-Fiが遅い状況を根本的に改善するなら回線の見直しを

Wi-Fiの通信速度が遅いことにお悩みで、今回ご紹介した対処法を試してみても状況が改善しない場合は、使用しているインターネット回線の乗り換えを視野に入れてみましょう。とくにIPv6の接続方法に対応した光回線を選択すれば、通信速度や通信の安定性に満足できるはずです。
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関連記事:ダウンロード速度が遅い原因は?改善する10の方法をわかりやすくご紹介
Wi-Fiが遅い原因を探り通信環境を改善しよう

Wi-Fiの速度が遅い場合、Wi-Fiの電波が障害物によって遮断されている、電波干渉を受けているといった原因が考えられます。また、Wi-Fiルーターや端末に不具合があるケースも想定されます。
自宅のWi-Fiが遅いと感じたら、計測サイトを使ってさまざまな場所のWi-Fiの速度を計測し、原因を探る方法を試してみましょう。特定の使用場所、あるいは接続方法で通信速度が遅いことがわかれば、おのずと対処法が浮かんできます。ぜひ本記事を参考に、通信環境の改善を行いましょう。