ping値とは、サーバーまでの往復時間です。単位はms(ミリ秒)で表し、低ければ低いほどインターネットを快適に利用できます。目安や測定方法、高いときに考えられる原因、改善方法についてまとめて紹介します。
ping値とは
ping値とは、デバイスとサーバーとの間でデータを送受信する際にかかる時間のことです。インターネットの応答速度や反応速度、タイムラグを示す数値として用いられています。
ping値は「ms(ミリ秒)」の単位で表示されます。1ms=0.001秒のため、ping値が30msならサーバーとのデータ送受信に0.03秒かかるという意味です。
なお、ping値は「ピンチ」や「ピングチ」と読みます。ping値が低ければ低いほど、サーバーとのデータ送受信にかかる時間は短いため、快適なインターネット通信が可能です。
反対にping値が高いときは、データの送受信に時間がかかっていることを意味します。オンラインゲームをしているときであれば、コントローラーで操作してから画面上の動きに反映されるまでに時間がかかる状態です。早めに改善し、快適にインターネット通信が利用できるようにしておきましょう。
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ping値とレイテンシの違い
インターネットの反応速度を「レイテンシ(レイテンシー)」で表示することがあります。レイテンシとはサーバーからデバイスにデータを送信する時間、もしくはデバイスからサーバーにデータを送信する時間を指す言葉です。
つまり、ping値がデータの往復にかかる時間を指すのに対し、レイテンシは片道です。目安となる数値も異なるため、区別しておきましょう。
ping値とインターネット回線速度の違い
インターネットの回線速度とは、1秒間に送信できるデータ量のことです。単位は「bps」で、1Gbps=1,000Mbps=1,000,000Kbps=1,000,000,000bpsとなります。1秒間に送信できるデータ量が多ければ多いほどスムーズな通信ができるため、数字が多ければ多いほどインターネット環境は良好です。
一方、ping値はデバイスとサーバーの間のデータ送受信にかかる時間です。時間が短ければ短いほど快適にインターネット通信できるため、ping値は低ければ低いほどよいと考えられます。
ping値の目安
ping値の目安は、インターネット通信をなにに利用するかによって異なります。以下の目安を参考にしてください。
インターネットの利用方法 | ping値の目安 |
---|---|
WEBサイトの閲覧 | 100ms以下であれば問題なし。50ms以下なら快適 |
WEB会議 | 50ms以下であれば問題なし。15ms以下なら快適 |
動画視聴 | 50ms以下であれば問題なし。30ms以下なら快適 |
オンラインゲーム | 30ms以下であれば問題なし。15ms以下なら快適 |
WEBサイトの閲覧
WEBサイトの閲覧は、ping値が100ms以下であれば問題なくおこなえます。ping値が50ms以下なら、URLをクリックするだけで瞬時にWEBサイトが表示されるため、より快適に閲覧できます。
なお、WEBサイトを閲覧するときは、インターネットの回線速度も確認しておきましょう。特別速い必要はありませんが、下り速度(ダウンロード速度)が速いと快適に閲覧できます。
WEB会議
WEB会議は、ping値が50ms以下であれば問題なくおこなえます。ping値が15ms以下ならさらに快適に会議ができます。
ping値が高いとWEB会議での応答に時間がかかり、ほかの参加者に迷惑をかけるかもしれません。また、画像がカクカクした状態で表示されたり、フリーズしたりすることもあります。
なお、WEB会議に参加するときも、インターネットの回線速度を確認しておきましょう。WEB会議ではデータを受け取るだけでなく常に発信しているため、下り速度はもちろんのこと、上り速度(アップロード速度)も速いことが求められます。
動画視聴
動画視聴は、ping値が50ms以下であれば問題なくおこなえます。また、ping値が30ms以下ならさらに快適な視聴が可能です。
ただし、高画質の動画はデータ容量が大きいため、データの送受信に時間がかかる状況ではスムーズに視聴できない可能性があります。音声と画像がずれるときや画像の一部が粗くなっているときは、画質を下げてみてください。
なお、動画視聴もインターネットの回線速度を確認しておきましょう。動画視聴ではユーザー側からデータを送信することはないため、下り速度が速ければ快適に視聴できます。
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オンラインゲーム
オンラインゲームは、ping値が30ms以下であれば問題なくおこなえます。ping値が15ms以下ならさらに快適にゲームを楽しむことが可能です。
ただし、ゲームの種類によっても目安となるping値は異なります。たとえば、対戦型ゲームやシューティングゲームなどは、ping値が30ms程度では操作と画面にずれを感じることがあります。少なくともping値は15ms以下であることが望まれるでしょう。
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ping値の測定方法
インターネットの反応速度は、無料サービスで測定可能です。
ping値やレイテンシを測定できる無料サービスを3つ紹介します。いずれもパソコンだけでなくスマートフォンでもアクセスできます。ぜひ試してみてください。
関連記事:Mbps・Gbpsとは?通信速度の目安や改善方法などをわかりやすく解説
Fast.com
Fast.comは、アクセスするだけでインターネットの回線速度(下り速度)が表示されるサービスです。まずは検索窓かURLバーに「Fast.com」と入力し、「インターネット回線の速度テスト|Fast.com」と表示されている部分をクリックしてみましょう。以下のような画面が表示されます。
引用:Fast.com
次に下り速度の下に記載されている「詳細を表示」をクリックしてみましょう。上り速度やレイテンシの情報も表示されます。
引用:Fast.com
Speedtest
Speedtestも簡単に利用できる無料サービスです。検索窓やURLバーに「Speedtest」と入力し、検索結果一覧に表示された「Speedtest」をクリックしてみましょう。次の画面が表示されます。
引用:Speedtest
画面中央部の「GO」をクリックしてみましょう。数秒~数十秒待つと次の画面が表示されます。
引用:Speedtest
下り速度と上り速度、ping値が表示されます。この場合はping値は13msだとわかります。
みんなのネット回線速度
検索窓かURLバーに「みんなのネット回線速度」か「みんそく」と入力してください。検索結果一覧に「みんなのネット回線速度(みんそく)|速度比較が出来る通信速度測定サイト」と表示されている部分をクリックしてみましょう。次の画面が表示されます。
引用:みんなのネット回線速度
画面の右側にある「通信速度を測定する」をクリックしてください。次の画面が表示されます。
引用:みんなのネット回線速度
以下の情報を順に入力し、利用規約にチェックを入れ、「通信速度測定をして、入力内容を投稿する」と記載されたバーをクリックしてください。次の画面が表示されます。
- 回線タイプ
- 契約回線名
- 都道府県
- 市区町村
- 住宅の種類
- ネット接続方法
- ニックネーム(未入力でも可)
引用:みんなのネット回線速度
ping値は17msであることがわかります。また、通信速度が速いか遅いかの表示もされるため、インターネット回線速度を客観的に判断しやすくなります。
ping値が高い原因
ping値が高いときは、次のいずれかの原因、もしくは複数の原因が考えられます。
- WiFiルーターとゲーム機の間に障害物がある
- 使用機器に問題がある
- インターネット回線に問題がある
それぞれの原因について見ていきましょう。
WiFiルーターとゲーム機の間に障害物がある
ゲーム機やパソコンなどのインターネットデバイスと、WiFiルーターの間に障害物があると、インターネット通信が阻害される可能性があります。デバイスとサーバーの間を往復する時間も長引き、ping値が高くなるかもしれません。
また、デバイスとWiFiルーターの間に電子レンジなどの電波を発する機器があるときや、単にデバイスとWiFiルーターの距離が離れているときも、インターネット通信が阻害される可能性があります。
使用機器に問題がある
1Gbps以上の高速通信を利用している場合でも、インターネット通信に使用する機器の規格やバージョンが古いときは、通信速度が遅くなることやping値が高くなることがあります。
まずはWiFiルーターとケーブルの規格を確認してみましょう。以下の表を参考に、それぞれの規格が契約しているインターネット回線の速度に対応しているかチェックしてみてください。
最大通信速度 | 通信機器 | 対応規格 |
---|---|---|
1Gbps以上 | WiFiルーター | IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ad、IEEE 802.11ax |
ケーブル | CAT 5e、CAT 6、CAT 6A、CAT 7、CAT 7A、CAT 8 | |
10Gbps以上 | WiFiルーター | IEEE 802.11ax |
ケーブル | CAT 6A、CAT 7、CAT 7A、CAT 8 |
また、規格に問題がなくても、熱がこもっているなどの理由により通信が阻害され、ping値が一時的に低下することもあります。
インターネット回線に問題がある
インターネット回線自体に問題がある可能性もあります。たとえば、最大通信速度が速くはない回線を利用している場合なら、サーバーにデータを送受信する時間も長引くため、ping値が高くなります。
また、最大通信速度が速くても、インターネット回線が混雑しているときも、一時的にping値が高くなるため注意しましょう。そのほかにも、インターネット回線自体に通信障害が起こっている可能性が想定されます。たとえば回線業者内で工事をしているときや、なんらかの事情でインターネット通信サービスを提供しにくくなっているときなどは、ping値が高くなることがあります。
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ping値が高いときに試したい改善方法
ping値が高いときは、次の方法で改善できることがあります。
- WiFiルーター周辺の環境を見直す
- 関連機器を再起動する
- WiFiルーターの同時接続数を減らす
- WiFiルーターと有線接続をする
- WiFiルーターを変更する
- インターネット回線の乗り換えを検討する
それぞれの改善方法について見ていきましょう。
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WiFiルーター周辺の環境を見直す
WiFiルーター周辺の環境を見直してみましょう。たとえばWiFiルーターが家具や本などに囲まれた状況にあるときは、インターネット通信が阻害されます。パソコンやゲーム機などのデバイスとの間に障害物がないように、配置を変えてみてください。
また、電子レンジなどの電波を発する機器が近くにあるときも同様です。WiFiルーターの配置を変え、WiFiルーターとデバイスの間でスムーズに通信ができる状態にしておきましょう。
関連機器を再起動する
コンセントや関連機器に熱がこもり、インターネット通信を阻害している可能性があります。次の手順で、熱を取り除きましょう。
- ルーターやパソコン、ゲーム機などの関連機器の電源をオフにする
- コンセントとケーブルをすべて抜く
- 数分待つ
- コンセントとケーブルを元通りに接続する
- 関連機器の電源をオンにする
WiFiルーターの同時接続数を減らす
インターネットの回線速度とは、1秒間に送信できるデータ量のことです。つまり、複数のデバイスを同時に接続すると、ひとつのデバイスが利用できるデータ量が減るため、それぞれの通信速度が遅くなってしまいます。通信速度が遅くなると、データがサーバーを往復する時間も長くなるため、ping値が高くなります。
ping値を低くするためにも、WiFiルーターに同時接続するデバイスを減らすようにしましょう。使っていないデバイスは電源を切り、インターネット通信を利用できない状態にしてください。
WiFiルーターと有線接続をする
WiFiルーターには、1つないしは2つ程度の有線接続ポートがついていることがあります。
もし有線接続ポートがあるときは、ゲーム機やパソコンとWiFiルーターを有線接続してみましょう。有線接続にするとインターネット通信が安定するため、ping値が低くなることがあります。
WiFiルーターを変更する
WiFiルーターとケーブルの規格を確認してみてください。インターネット回線の通信速度とあっていないときは、速度が遅くなるばかりかping値が高くなることがあります。
上記の表を参考に、インターネット回線の最大通信速度にあった規格を使っているかチェックしてみましょう。もし表にない規格のWiFiルーターやケーブルを使っているときは、買い替えてください。
インターネット回線の乗り換えを検討する
インターネット回線の最大通信速度は、あくまでも理論上の数値です。1Gbps以上の高速通信を導入している場合でも、数十Mbps程度の速度しか出ないことも少なくありません。
導入しているインターネット回線の速度が遅いとき、あるいは高速通信なのに思うような通信速度で利用できないときは、回線を乗り換えることも検討してください。通信速度が速くなることで、ping値も低くなることがあります。
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ping値に注目してインターネット環境を改善しよう
ping値は、デバイスとサーバーをデータが往復する時間のことです。数値が低ければ低いほど快適にインターネット通信を利用でき、反対に数値が高いと操作と画面にタイムラグが生じやすくなります。
ping値を調べることで、インターネット通信の反応速度を確認できます。オンラインゲームをするなら30ms以下、対戦型ゲームやシューティングゲームなら15ms以下かチェックしてみましょう。
ping値が高く、ゲームを楽しめない方は、ゲーマー特化型回線hi-ho with gamesへの乗り換えも検討してみてください。もちろん、hi-ho with gamesはゲームだけでなく、動画視聴やパソコンの作業などにもご利用いただけます。ぜひhi-ho with gamesでストレスのないインターネット環境づくりを実現してください。
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