Wi-Fi接続の通信速度は、いつも一定というわけではなく、ある程度遅くなったり速くなったりするものです。しかし快適に、もしくはまったく利用できないほど遅いとなると、できるだけ早い改善が求められます。
ただ、そのためにはある程度Wi-Fi接続のしくみや特徴を把握しておくことが大切です。そこでこの記事では、Wi-Fi接続が遅い場合の原因と対処法の例と、そのために前提となる知っておきたい知識を解説します。
目次
Wi-Fiの通信速度が遅いと感じた時に知っておきたいこと

Wi-Fi接続は、通信経路としてLANケーブルのような物体ではなく、目に見えない電波を使うタイプのインターネット通信です。そのため、Wi-Fi接続が遅いと感じたときに原因を追求するには、インターネット通信のしくみや特徴を知っていなくてはなりません。
そこでここでは、Wi-Fiの速度が遅いと感じたとき、前提として知っておきたい基本的な知識を解説します。
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上り回線と下り回線の違い
インターネット通信では通信速度を「上り」と「下り」に分けて考えます。「上り」とは端末から発信するインターネットへ向けた通信、「下り」とはインターネットから端末が受信する通信です。
上りの通信速度が遅いという場合、メールの送信やSNSへの投稿、動画のアップロードなどに時間がかかることをいいます。一方、下りの通信速度が遅いという場合は、データの受信に時間がかかるということです。メールの受信はもちろんWebサイトの表示、アプリや動画のダウンロードに時間がかかることや、動画の再生が止まってしまったりスムーズに再生できなかったりといった現象が現れます。
通信速度が遅いという場合、「下り速度が遅い」ことを指すのがほとんどです。これは通常インターネットを利用する際、上りの通信より下りの通信を利用することが多いためです。
関連記事:回線速度は速いのにダウンロードが遅い!?原因や対処法などを解説
最大通信速度(理論値)と実際の速度は異なる
インターネット接続サービスでは提供するサービスの品質として、理論上可能な上限を表示することが認められています。広告などには通信速度「最大〇〇Gbps」と表示されていますが、「最大」の文字どおり、これは理想的な状態でのみ達成可能な理論値であり、常にすべてのユーザーに対して保証されている通信速度ではありません。
通信速度は、回線を利用するユーザーの数やデータ量、端末の処理性能などさまざまな条件に影響され、実際は理論値より遅い速度となるのが通常です。口コミサイトなどに投稿されている通信速度の実測値も、「いつ(日付や時間)」「どこで」「どの端末で」の一例だといえます。
そのため、たとえサービス提供事業者であっても、ある特定の場所における通信速度を保証することはできません。実際の通信速度を知るには、実測が唯一の方法です。
利用者が多い時間帯は遅くなることが多い
インターネット通信では、光ファイバーなどの通信路を複数のユーザーで共有して利用しています。そのため他のユーザーが極端に大きなデータ量をやり取りしていると、それだけで通信路のデータ容量の多くを占めてしまうため、通信速度は遅くなりがちです。
また通信路を共有しているということは、たとえば平日の夕方から夜にかけて、多くの人が仕事や学業を終えて帰宅しインターネットを使う時間帯は、混雑しやすいということでもあります。
利用者の多さでいえば、人気のコンサートチケット受付サイトが受付開始の直後にアクセスできない状態が続くのもこの一例です。ほかのWebサイトはすぐ表示されるけれど、特定のWebサイトが表示されない場合は、Webサイト側の混雑や不具合が考えられます。
Wi-Fiの速度が遅い原因と対処法

ここからは具体的に、Wi-Fiの通信速度が遅い場合の原因を絞り込み、適切に対処する方法について考えてみましょう。Wi-Fi通信には手元の接続端末とルーター、通信回線といくつもの機器やサービスが関係しています。とはいえ、要所となるポイントはそれほど多くありません。
Wi-Fiが遅くなる原因となりやすいポイントごとにチェックし、適切に対処すれば改善が可能です。
関連記事:回線を早くする方法!インターネット通信速度のよくある5つの低下原因
関連記事:wifiが遅い7つの原因と対処法!通信速度を測り原因を知る方法も
ルーターの設置場所
Wi-Fi接続はルーターから発信される電波を受信して、無線で通信するしくみです。電波は周波数ごとに異なる特徴があり、距離が離れていたり、通信経路の間に障害物があったりするとつながりにくくなります。今のWi-Fi接続が遅い場合、ルーターの設置場所を変えてみるのも改善方法の一つです。
たとえば木造2階建て住宅のケースを考えてみましょう。ルーターを、通信回線が引き込まれているリビングに設置すると、リビング内では快適なWi-Fi通信が利用できます。
しかし壁やドアを隔てた寝室や、さらに階段を経て距離のある2階の部屋では、リビングのような強い電波が届きません。この場合は、リビング内でも寝室や階段に近い場所にルーターを設置すると、2階や寝室でのより快適な通信が期待できます。
回線そのものやモデム(終端装置)の問題
もしルーターのごく近くで間違いなくWi-Fi接続できているのに通信速度が遅い場合は、通信経路としての回線そのものや、回線をルーターに接続するモデム(終端装置)になんらかの問題が発生している可能性があります。
この問題の解消には、インターネット接続事業者から提供されているもの、そのものの調査が必要です。
モデムに問題が発生した場合の対処法
モデムに問題が発生していると考えられるときは、まずモデムを再起動してその後動作するかどうかを確認します。
モデムに電源スイッチが搭載されていない場合は、一度コンセントから電源プラグを抜き、30秒ほどあけて差し込んで再起動させてください。再起動するとすぐにいくつかのランプが点灯するものの、正常に動作するまでには一定の時間がかかります。しばらくしてWi-Fiの接続を確認しましょう。
再起動で改善しなければ、モデム自体の故障や通信回線での不具合が考えられます。改善するにはインターネット接続事業者へ問い合わせ、対処してもらわなくてはなりません。
もし賃貸物件で、モデムが物件に備え付けなら、物件の管理会社や大家さんに問い合わせましょう。
回線に障害が発生している場合もある
Wi-Fiが遅いのは、回線に障害が発生しているためかもしれません。利用しているインターネット接続事業者のWebサイトなどで、今の障害発生状況を確認しましょう。このとき、Wi-Fiがつながらないようなら、いったんWi-Fi接続をオフにしてのモバイル通信での確認がオススメです。
障害発生状況の確認とあわせて、メンテナンス情報もチェックします。メンテナンス時は通常、事前に日時などが通知されますが、緊急の場合は通知が遅れる、または通知されない場合もあるようです。
障害でもメンテナンスでもなければ、事業者に問い合わせるしかありません。電話やチャットなどを使って問い合わせてみましょう。
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ルーターや端末の故障・設定の問題
次はルーターや端末自体の故障や設定に問題がないかをチェックします。ルーターはWi-Fi通信の周波数や通信方式を、端末は通信に利用するWi-Fiを設定する、どちらもWi-Fiの通信速度に影響を与える要素です。
次のような項目を確認し、設定を変更するなどして Wi-Fiの遅さを解消できるかどうかチェックしましょう。
関連記事:Wi-fiルーターの寿命とは?寿命等の症状や買い替え時期などを解説!
ファイアウォールやIPv6などの設定を見直す
ファイアウォールとは、外部から送信されてくるデータを分析し、安全なものだけを受信できるようにするしくみです。ルーターのファイアウォール機能を有効にしていると、通信速度が遅くなる可能性があります。とはいえファイアウォールは安全なインターネット利用には欠かせません。一時的に無効にして通信速度を確認し、その後は必ず有効に戻しておきましょう。
またルーターの接続方式がIPv4方式であれば、IPv6方式に変更すると通信速度の改善が期待できます。IPv6方式は従来のIPv4方式と比べて大容量通信が可能で、通信も混雑することなく安定しているため、オンラインゲームの世界で評価の高い「hi-ho」でも多く利用されている種類の回線です。
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電波干渉の場合は周波数を変えてみる
現在、多くのルーターにはWi-Fiの電波として、2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を利用できます。電波は周波数によって性質が異なるため、次のような注意が必要です。
電波の特徴 | 利用の注意点 | |
2.4GHz帯 | 比較的遠くに届くが通信速度は遅め | ・ルーターから遠い場所での通信に適している ・高速通信を必要とする用途には適さない ・家電などの電波干渉を受けやすい |
5GHz帯 | 通信速度は速いがあまり遠くまで届かず、障害物に弱い | ・高速通信に適している ・家電などの電波干渉を受けにくい ・距離があると通信できなくなりやすい |
単純に、現在主に利用している周波数が2.4GHz帯であれば、5GHz帯に切り替えると速度が改善する可能性があります。またWi-Fiの通信速度が遅い原因が、電子レンジなどの家電による電波干渉であれば、5GHz帯に切り替えるのがオススメです。
ルーターから端末までの距離や障害物などを含め、今の周波数帯が適しているかどうかチェックしてみましょう。
ルーターや端末を再起動することで直ることも
Wi-Fi通信が遅いと感じたら、一度端末を再起動するのもオススメです。スマートフォンやタブレット、パソコンなどの機器は、動作の複雑さから一時的に軽微な不具合を起こすことがあります。再起動は、通信機などのさまざまな動作をいったんゼロに戻し、改めて起動させる作業です。機器内で通信に必要なしくみを再構築するため、不具合が改善される可能性があります。
再起動はルーターでも同様の効果が期待できます。ルーターには電源スイッチがない場合もありますが、そのときはコンセントを抜いて差し直す動作が再起動です。正常に動作し始めるまでしばらく待ち、Wi-Fi接続を試してみるとよいでしょう。
同時接続・通信している数が多すぎる
ルーターは製品ごとに、Wi-Fiで同時に接続できる端末の数が制限されています。端末によっては制限台数を超えても接続が可能です。しかし接続する端末が多いほど、速度が遅くなる可能性が高くなります。
Wi-Fi接続を利用している機器は、スマートフォンをはじめパソコンやタブレット、ゲーム機、スマートスピーカー、エアコンなど実に多彩です。たとえルーターの接続上限台数が10台でも、使い方によってはすぐに超えてしまいます。
この機会に一度、Wi-Fiに接続している端末を書き出してみましょう。とくに必要ない機器は接続を切る、電源を落としておくなどすれば、Wi-Fiの通信速度を改善できる可能性があります。
またルーターの性能が今の用途に合わなければ、ルーター自体を替えるのもオススメです。「hi-ho」の光回線プランには、オンラインゲームでの高速通信が可能なルーターを利用できる「ゲーミング専用ルーターオプション」が付加できます。ルーターと同時に通信回線を検討する場合は、このようなお得なプランがあるかどうかもチェックしましょう。
関連記事:wifiがつながりにくいときの対処法は?つながらない原因も解説
関連記事:マンションのWi-Fiが遅い原因は?快適にネット回線を利用する方法を解説
Wi-Fiの通信速度の目安

Wi-Fiの通信速度が遅いと言われただけでは、聞いた人がどれくらい遅いか判断することはなかなかできません。これはWi-Fiの通信で何をするかによって、必要とされる速度が異なるためです。
ここではWi-Fiの通信速度の調べ方と、用途ごとの必要な通信速度の目安を解説します。用途に必要な速度が得られているか、しっかり確認しましょう。
通信速度の調べ方
実際のWi-Fi通信速度の測定には、スマートフォンのアプリケーションや、Webサイトにあるサービスが利用できます。アプリケーションはインストールしている端末でしか測定できませんが、Webサイト上のサービスならブラウザが使えればいつでも測定可能です。
Webサイトの通信速度測定サービスには「Fast.com」や「USEN GATE 02」「Speedtest」などがあります。意外なものでいえば、Google検索で「スピードテスト」と検索すると表示される「インターネット速度テスト」も便利です。
Googleスピードテストの利用手順
- Google検索で「スピードテスト」と入力し検索する
- 表示された「インターネット速度テスト」ボックス右下の「速度テストを実行」をクリックする
- 別ボックスが起動し、下り(ダウンロード)速度、上り(アップロード)速度の順に測定される
ただし、どのサービスでの速度も、その時点での、その端末で測定した一つの値にすぎません。何回か測定し、平均すると大まかな速度がわかる程度です。
そのため測定は、遅いと感じたときだけでなく、普段の快適な場合のものまで記録しておくと、普段よりどれくらい遅いか数値で確認しやすくなります。インターネット接続事業者に問い合わせるときも具体的に示しやすいためオススメです。
用途ごとの必要な通信速度
通信速度を判別する目安として、インターネットの用途ごとに必要とされる通信速度を一覧にしたのが次の表です。
用途 | 必要とされる通信速度の目安 |
---|---|
メール送受信やLINE | 128Kbps〜1Mbps |
Webサイトの閲覧 | 1Mbps〜10Mbps |
SNS | 3Mbps〜10Mbps |
ビデオ通話 | 5Mbps〜15Mbps |
動画視聴(SD画質) | 1Mbps程度 |
動画視聴(HD画質) | 2.5Mbps〜10Mbps |
動画視聴(4K画質) | 20Mbps〜30Mbps |
オンラインゲーム | 10Mbps〜100Mbps以上 |
※上記はあくまで目安であり、利用する環境や端末などによって必要な通信速度は異なります。
なかでもオンラインゲームは、100Mbps以上の通信速度が理想とされています。また速度だけでなく通信の応答速度(Ping値)も重要です。これから回線を選ぶとしたら速度が速く、Ping値が低い遅延の少ないものをオススメします。
関連記事:プロゲーマーが求める回線速度とは?光回線がおすすめな理由も解説
関連記事:ゲーム向けWi-Fiおすすめ5選!光回線が一択な理由、回線速度の改善法も解説
Wi-Fi回線の種類ごとの速度・特徴

現在、利用できるインターネット回線はスマートフォンを除くと、光回線とケーブルテレビ回線、モバイルWi-Fiルーターの3つに分けられます。これからどの回線にするか検討するなら、それぞれの特徴をきちんと把握し、使い方に適したものを選ぶことが大切です。
ここでは種類ごとの、とりわけ速度について一つずつ簡単に解説します。
光回線
光回線は、光ファイバーというケーブルを利用した通信回線です。有線であるため無線のような電波の干渉や混雑がなく、かなり安定した速い速度で通信ができます。ケーブルを自宅など特定の場所に固定して設置しなくてはなりません。
Wi-Fiはルーターを、モデムからLANケーブルで接続して利用します。そのためWi-Fiでより速い速度を求めるなら、通信回線選びが重要です。
通信の速度と安定性でいえば、光回線をオススメします。とくに「hi-ho」では光回線だけでも、オンラインゲームや配信者向け高速回線プラン「hi-ho with games」をはじめ、データ復旧がセットになった「hi-hoひかり Newスタンダード」などプランのラインナップが豊富です。使い方にぴったりなプランが見つかるでしょう。
hi-ho with games オンライン向け高速光回線 公式Webサイト
ケーブルテレビ回線
一般的なテレビはアンテナで電波を受信することで放送を視聴します。対してケーブルテレビは電波が届きにくい山岳地帯や、高層ビルの多いエリアなどでよく用いられるテレビ放送サービスです。
ケーブルテレビ回線を使ったインターネット接続は、プロバイダのサーバーから設置場所近くの変換器までは光ファイバーケーブルを使います。しかし変換器から設置場所までに用いられるのは光ファイバーではなく、テレビと同じ同軸ケーブルです。光回線では設置場所まで光ファイバーが用いられるため、比較するとやや速度は遅くなる傾向があります。
モバイルWi-Fiルーター
モバイルWi-Fiルーターは、スマートフォンと同じモバイルデータ通信を使ったインターネット接続サービスです。無線接続のため、外出するときに持ち出して接続できますが、通信速度はスマートフォンとほぼ変わりません。またサービスによっては、月間で利用できるデータ容量が限られ、一定以上になると低速通信のみの利用となってしまいます。
似たサービスに据え置き型のホームルーターもありますが、これはモバイルWi-Fiルーターより強い電波を使うため、原則として屋外で利用できないルーターです。
モバイルWi-Fiルーターやホームルーターは、いずれ引っ越すことがわかっている場合の、一時的なインターネット環境として役立ちます。しかし通信速度はあまり速くないため、オンラインゲームなどの使い方にはオススメできません。
Wi-Fiの速度が遅いと感じたときは回線も見直そう

Wi-Fiはインターネット回線にルーターを通じて無線で接続する、通信形態の一つです。速度が遅くなる原因には、通信回線やモデム、ルーター、端末などすべての機器・サービスが考えられるため、解消するには一つずつ状態をチェックする必要があります。しかしその結果、通信回線の性能が今の使い方に合っていなければ、通信回線契約そのものを見直す必要もあるでしょう。
とくにオンラインゲームや配信者にとって、通信速度は重要です。「hi-ho」は光回線だけでもスタンダードなプランから、高速で遅延の少ないプランまでラインアップが幅広く、Wi-Fiをより高速に利用できるルーターが利用できるプランを選ぶこともできます。
Wi-Fi接続でより速度を求めるなら、今の通信環境を通信回線契約までを視野に入れ、最適なものを選びましょう。